当社が掲げる基本理念「互恵平等」という言葉には、互いに手を取り合い、必要なものを与え合うことにより、それぞれの向上を目指していこうという思いが込められております。振り返りますと、私どもは周囲の多大なる助けをお借りすることにより、ここまでの成長を遂げてこられました。それと同様に、相手の立場になって物事を考えるという姿勢を忘れることなく、邁進してまいりました。

 淘汰の厳しい業界の中で、おかげさまで順調に業績を伸ばしておりますが、「当たり前のことをやる」を基本に据えてきたことが、かたちとなって現れているのだと考えております。品質・納期・コストの管理をはじめ、整理整頓の励行や、無駄を省いた作業の見直しなど、小さなことから徹底するのは「当たり前のこと」です。さらに、今やっていることを漫然とこなすのではなく、常に現状に疑問をもち続けることも、「当たり前のこと」。従来の作業や取り組みと比較して、少しでも効率や品質の向上につながる方法があれば、迷わず取り入れていく。その柔軟な切り替えが、技術の高まりにもつながっていると認識しています。

 多くの工業製品と同様に、金型製作やプレス加工の分野においても、生産の場を海外に求める日本企業が増えています。しかし、日に日に小型化複雑化していく電子部品製造は、高性能な設備を備えるだけで対応しきれるものではありません。そこには、 理論に裏打ちされた基礎技術が必要とされます。当社にはそのノウハウが確実に蓄積されていると自負していますし、最新技術の研究、新たな加
工方法の開発にも積極的に取り組んでいます。

 平成2年、さらなる企業の発展と、それを支える人材を求め、岩手県宮古市に生産の拠点を置きました。現在、宮古市をはじめとする沿岸地域は、金型技術関連の会社が集積している地域として国内でも注目されています。そのネットワークを生かし、各社が協力し合い、この地で優秀な金型技術者を養成するための勉強会も行われています。当社の社員も講義を受けながら、日々、高度な技術の習得に努めております。また、外部研修にも積極的に社員を派遣しており、異業種の人間との交流や、多くの考え方に触れる機会を与えています。そこでの発見が、自らの意識を高め、仕事の細かい部分に生きてくると考えております。

 当社はまだまだ若い会社です。その活力を原動力に変え、社長以下従業員ともども、さらなる人技練磨に努めてまいります。